こんにちは!あるかんです。
今回は、保育士の受験資格や試験の概要について記事にしていきます!

保育士の資格や仕事に興味がある方や、試験概要について知りたい方など、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。
保育士って何?どんな仕事をするの?年収は?
まずは、保育士について説明していきたいと思います!
保育士とは?
保育士とは、「児童福祉法」で位置づけられた国家資格です。
児童福祉法改正により、2003年11月から民間資格から国家資格になりました。
また、保育士について「児童福祉法」で次のように述べられています。
保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
(出典:児童福祉法第18条の4)
保育士は「名称独占」の資格です。
「名称独占」は、資格がない人が保育士を勝手に名乗ることはできませんが、保育士の資格なしで業務にあたることは禁止されてはいません。

保育士の資格がないのに、保育士と名乗ると児童福祉法に違反し、30万円以下の罰金になります。
保育士は保育所以外に働く場所はあるの?
保育士は児童福祉法の定義にもあるように、保育の専門的知識を駆使して行う仕事です。
さらに、保育とは「養護と教育を一体的に行うこと」とされています。(保育所保育指針より)

ただ、子どもを預かってお世話をするというだけではなく、教育的な面を考えて子どもたちと関わっていくのが保育士の仕事です。
保育士の仕事をイメージすると、保育所で働いている姿をイメージする方がほとんどではないでしょうか。
実は、保育士の資格を活かして保育所以外の場所で活躍できるんです!
例えば…
- 認定こども園(場合によっては、幼稚園教諭の免許も併せて必要)
- 児童養護施設
- 児童館
- 児童発達支援センター
- 放課後等デイサービス
- 助産施設
- 病棟保育士
- 民間や商業施設の託児所
- テーマパークやアミューズメント施設
などなど…その他にもたくさん活躍できる場がありますよ!

保育士経験を活かして、フリーランスの保育士として活躍されている方も多く見かけるようになりました。
独立も夢ではないんですね!
保育所で働くにしても環境はかなり違う!
活躍の場は保育所以外にもたくさんあるのは分かりましたが、保育所で働くと言っても様々な保育所があります。
公立なのか私立(民間)なのか、認可なのか認可外なのか、大規模なのか小規模なのか、で働く環境は大きく変わってきます。
公立の保育所は、入社する際には自治体の公務員試験に合格する必要があったりとハードルが高い部分も多いかと思います。
私立の保育所は、運営団体の裁量で採用が行われます。
入職からかなり差がありますね。
保育所のタイプ別で考えてみると、小規模の保育所だと定員が少ないため、職員1人あたりに対して子どもの人数は少なくなり負担が少なくなるというメリットがあります。
しかし、大規模の保育所では、職員の人数も多いため業務の分担ができたり、休暇が取りやすいというメリットがあります。

何をとっても一長一短ですし、自分に合う働き方を見つけるのが一番いいですね!
保育所によって、かなり労働環境が違うので、子どもとどんな関わりをしたいのか、譲れない条件は何か、ということを考えてみるといいかもしれません。
保育士の給与・年収は?
色々活躍の場がある保育士ですが、年収はどのくらいなのか気になりますよね。

ズバリ、保育士の年収は平均390万円です!
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査より)
保育士の給料は低いというイメージがある方が多いかもしれませんが、実は地域によって100万円以上差があるのです!
例えば、東京都だと平均年収は約445万円であるのに対し、山形県の平均年収は約283万円です。
また、公立保育園で働くのか私立保育園なのか、小規模園なのかでも年収が大きく変わってきます。
ちなみに、公立保育園の平均年収は363万円、私立保育園は362万円、小規模保育園(A型)は322万円となっています。
(出典:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報値>)
ここでは、保育所で働く保育士の給与について述べましたが、放課後等デイサービスや民間の託児所で働く保育士となると、給与も大きく変わります。

年収1000万以上の保育士も存在していることが調査で明らかになっています。
現実的ではない話かもしれませんが、キャリアアップや園長を目指す等で叶えられる可能性もあるかも…。
保育士の給与が低いと言っても、調査をするごとに平均年収が上がってきているのは事実です。
国の施策として、処遇改善が行われていることが大きな要因でしょう。
今後も給与が上昇していくと考えられます。
保育士試験の概要について解説!
続いて、保育士試験の概要について解説していきたいと思います。
保育士の受験資格は?
保育士の受験資格はどんなものでしょうか。
いくつかパターンがありますので、それぞれ紹介してきますね!

1.大学・短期大学卒業の方
2.大学在学中もしくは中退の方
3.短期大学在学中
4.専門学校卒業の方
5.専門学校に在学中の方
6.勤務経験での受験資格(どこにも当てはまらない場合)
大学や短期大学、専門学校は保育と関係のない学部や学科を卒業・在学・中退でも受験資格があります!
1.大学・短期大学卒業の方
学校教育法に基づいた大学・短期大学を卒業している場合…
受験資格があります。
2.大学在学中もしくは中退の方
学校教育法に基づいた大学に在学中もしくは中退の場合…
・在学中の場合は受験資格があります(ただし、年度内に62単位を取得し、在学期間が2年間必要)
・退学している場合、
2年以上の在学期間があり、62単位以上取得していれば受験資格があります
3.短期大学在学中の方
学校教育法に基づいた短期大学に在学中の場合…
受験資格があります。
※ただし、年度中に卒業する必要があります
4.専門学校卒業の方
①学校教育法に基づいた専修学校であること
②卒業した課程が修業年限2年以上の専門課程であること
以上、2点が満たされていれば、受験資格があります。
もし、どちらか1点でも満たされていない場合でも、
平成3年3月31日以前(保育科であれば平成8年3月31日以前)に高校を卒業していれば受験資格があります。
その期間以降に高校を卒業された方は受験資格がありませんので、勤務経験での受験資格が必要になります。
5.専門学校在学中の方
①学校教育法に基づいた専修学校であること
②卒業した課程が修業年限2年以上の専門課程であること
以上、2点が満たされていれば、受験資格があります。
※ただし、年度中に卒業する必要があります
もし、どちらか1点でも満たされていない場合でも、
平成3年3月31日以前(保育科であれば平成8年3月31日以前)に高校を卒業していれば受験資格があります。
その期間以降に高校を卒業された方は受験資格がありませんので、勤務経験での受験資格が必要になります。
6.勤務経験での受験資格(どこにも当てはまらない場合)
高校卒業の場合…
①平成3年3月31日以前(保育科であれば平成8年3月31日以前)に高校を卒業していれば受験資格があります。
②2年以上、2800時間以上児童の保護や援護に従事した勤務経験が必要
中学卒業の場合…
5年以上7200時間以上児童の保護や援護に従事した勤務経験が必要
※勤務経験に該当する施設は枠外に記載します!
勤務経験に該当する施設は次の通りです。
受験資格に該当する施設 | 受験資格認定基準に該当する施設・事業 |
(児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設) ・ 保育所(利用定員20名以上) ・ 保育所型認定こども園 ・ 幼保連携型認定こども園 ・ 児童厚生施設(児童館) ・ 児童養護施設 ・ 助産施設 ・ 乳児院 ・ 母子生活支援施設 ・ 障害児入所施設 ・ 児童発達支援センター ・ 児童心理治療施設 ・ 児童自立支援施設 ・ 児童家庭支援センター | ・ 認可外保育施設 (認証保育園、認定保育園 等を含む) ・ 小規模保育事業(小規模認可保育所 等) ・ 幼稚園型認定こども園 ・ 地域裁量型認定こども園 ・ 幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む) ・ 家庭的保育事業(保育ママ 等) ・ 居宅訪問型保育事業 ・ 事業所内保育事業 ・ 放課後児童健全育成事業 (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等) ・ 一時預かり事業 ・ へき地保育(特例保育) ・ 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム) ・ 障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く) ・ 一時保護施設 その他にも ・ 放課後等デイサービス(児童デイサービス) ・ 院内保育 ・ 企業主導型保育事業 等 |
受験資格認定基準に該当する施設・事業での勤務経験で受験する方は、知事認定が必要になります。
事前に所定の手続きが必要になり、知事認定が下りた都道府県でのみ受験できないので注意!

分からないことは保育士試験事務センターに問い合わせてみましょう。
ナビダイヤルとメールでの問い合わせが可能です。
合格率は?
保育士試験の合格率は、例年20~30%台で推移しています。
令和5年度(2023年)の試験の合格率は26.9%でした。
(出典:保育士試験の実施状況(令和5年度))
また、2018年の調査ではありますが、合格者のうち1回で合格している人は15%しかいません!
最も多いのは、2回目で受験して合格した人です(合格者全体の約33%)。
中には、6回以上受験して合格した人もいますよ。
なぜ保育士試験は難しいのか?一発合格の合格率が低いのか?
保育士試験の合格率の低さの要因は、科目の多さと同時合格しなければいけない科目があることだと筆者は考えます。

試験科目の詳細については後に述べますが、9科目もあります。
範囲も広く、子どもを世話するにあたり必要な知識だなと思えること(健康や栄養など)から、心理学、社会福祉まで問われます!

筆者は、過去問を解いていて年金の問題が出てきたときに頭を抱えました…
一発合格率の低さに関しては、同時合格が必要な科目があることが要因だと考えます。
「教育原理」と「社会的養護」という科目は、同時に合格基準に達する必要があり、通称ニコイチ科目と呼ばれています。
合格基準でも詳しく述べますが、「教育原理」と「社会的養護」は、それぞれ10問出題されるうちの6問以上正答する必要があります。

それぞれ4問しか間違えられない上に、「教育原理」も「社会的養護」も子どもに直接関わる範囲ではないので、出題がマニアック…。
ここが一番の山場といっても過言ではないと筆者は思っています。
合格基準は?
保育士試験の合格基準は、それぞれの科目で6割以上の得点をすることです。
単純に計算すると、各科目は20問ずつの出題なので12問以上正答する必要があります。

先にも述べた通り「教育原理」と「社会的養護」はそれぞれの10問ずつ出題、2科目合わせて20問になります。
また、それぞれの科目で6割以上正答し、同時に合格しなければなりません。
試験科目は?
試験は2日間行われ、それぞれの科目の試験時間は1時間です。
ただし、教育原理と社会的養護は30分ずつとなっています。
1日目 | 2日目 |
・保育の心理学 ・保育原理 ・子ども家庭福祉 ・社会福祉 | ・教育原理 ・社会的養護 ・子どもの保健 ・子どもの食と栄養 ・保育実習理論 |
実技試験の科目は?
保育士試験は、筆記試験に合格すると実技試験へ進むことができます。
実技試験の科目は、
①音楽に関する技術、②造形に関する技術、③言語に関する技術のうち、2つ選んで受験します。
それぞれの科目の内容を紹介しますね!
①音楽に関する技術:指定された曲(受験申込時に知らされます)を弾き歌いする(ピアノやギターなど)
②造形に関する技術:指定されたテーマの絵を描く
③言語に関する技術:指定されたお話を指定された対象の年齢の子どもに向けて話す実演をする。
(※試験では子どもは実際にいないので、試験官に向かってお話をします。)
受験料は?
保育士試験の受験料は、12,700円です。
決済方法によっては、手数料が異なるため注意しておきましょう。

令和5年度からオンライン申請が可能になり、申し込みも便利になりました!
試験場所は?
試験は、全47都道府県で行われています。
詳しい試験場所は、送付される受験票に記載されています。
同じ都道府県でも試験会場が何か所かあるところもありますので、注意してくださいね!
試験日と受験申込期間は?
例年、4月(前期)と10月(後期)の2回試験が行われています。
2025年度の試験について紹介しますね!
前期
筆記試験:令和7年4月19日(土)、20日(日)
実技試験:令和7年6月29日(日)
後期
筆記試験:令和7年10月18日(土)、19日(日)
実技試験:令和7年12月7日(日)
受験申込期間は、前期は1月29日をもって受付を終了しています。
後期試験の申込は、おそらく7月頃から始まると思われます。
試験センターのホームページを細かくチェックしておきましょう!

願書提出のために必要な書類がいくつかある場合もあるので、願書の取り寄せはお早めに!
合格発表日は?
筆記試験は約1か月半後、実技試験は約1か月後に合格発表されます。

郵送または、マイページから結果を確認することができます。
その後、合格通知書も届きますよ!
まとめ
今回は保育士の給与や働き方、保育士試験の受験資格など概要についてまとめてみました!
少しでもお役に立てれば幸いです。
保育士試験の勉強法や受験体験記の記事もありますので、読んでいただけると嬉しいです♪

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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